怒りを無くす

最近周りを見ていると怒りに駆られて支離滅裂な行動をしている人を見かける。
人はなぜ怒るのか?という問いに対してはシンプルな答えが挙げられるだろう。
すなわち、コンプレックスから生じると。それは痛いところを突かれてごまかすための
怒りかも知れないし、こういう人間にはなりたくないという人物像を実践している人がいて
自分は我慢してそうならないようにしているのに奔放にふるまうのが許せない
のかも知れない。人それぞれ理由は違うだろうが、大別するとパターンが存在する。
 
それらをよくまとめている書籍としてはリズ・ブルボーの「5つの傷」などがあるだろう。
基本的には自分は何に怒っているのか?なぜ怒っているのか?そこに自我は無いか?
といったように突き詰めていくと根本的な原因が明らかになっていくだろう。人がある人を
批判するときはその特性を自分も持っているからだ。いわゆる同族嫌悪である。
批判対象の側面を持っていないときはそもそも批判する対象があることに気付かない。
自分勝手な人間を糾弾するとき、糾弾する側も自分勝手な側面があるということで、
自分勝手ではない人間は他人が自分勝手に振舞おうが気にならないのだ。
ゆえに、諺にあるように「他人の振り見てわが振り直せ」と言われるわけだ。根本原因は
全て自分にあるから自分が変わらない限りは怒りの対象は決してなくならない。
怒りは条件反射と同じで特定のパターンに対する反応であるからその根底にある
トラウマを分析して解消するというのが最先端の心理療法だ。
 
自分も親に対しては今で言う幼児虐待を受けたし、理不尽な仕打ちをされたことに
対する怒りが完全になくなったわけではない。その最たるものは別項(因縁の力)で記述する。
怒りの対極にあるのは「許し」であり、最終的には全てを許すことで怒りという気持ち自体も
昇華されていくと思われる。