上記で触れた、長い間燻ぶっていた親への怒りの原因の1つとして中学入試の件がある。
自分の頃は丁度受験戦争華やかかりし時代で、御三家を頂点として中学受験ブームだった。
それで第一志望を開成中として第2、第3と志望校を決めて受験したわけだが、自分の場合は
第2志望の学校が実は受かっていたにも拘らず、親はその時は「落ちた」と嘘をついて、
自分は第3志望のところへ行くことになった。なぜ落ちたことにしたかというと、姉も私立だったため
弟も私立に行かせようという親の計画があったからだ、自分が第2志望に進学すると弟の
分の学費が払えなくなるからそれよりも安い学費の第3志望へ行かせたということだ。
第2志望は俗に言うお坊ちゃま学校で私立の中でも学費がトップクラスだった。
その事実を知らされたのは高校に入ってからだ。出身大学(中学から一貫)とはそこで
既に因縁があったわけで、大学受験のときに丁度自分の得意な科目である「英・数・社」が
ある唯一の学校であったのも偶然ではあるまい。自分は文系だったが、物理が特に
不得意だったために理系を断念し、しかも国語が不得意という文系でも異例の存在だった。
そんな自分に最適の科目が用意されており、しかも中学・大学ともに補欠で合格したのも
偶然では片づけられない。全ては中学受験の時に蒔かれた因縁を起点としており、それすらも
生まれる前から決まっていたのだろう。もし第2志望の中学に行っていたら、ややもすると
周りが全て金持ちの子供でコンプレックスを抱いてネガティブな人生を歩んでいた
かもしれないし、今のテラヤ・師匠・赤松・モリテツ・和泉といったTRPGで知り合った
中学からの友人と会うこともなかったのだから、今は最適な人生ルートを送れたことに
感謝している。無論、就職時に社長と同じ大学だからという理由で目を掛けられて
社長室勤務になるも、その年に会社が倒産したのも大学を通じた因縁なのだろう。
実のところ、中学受験時に第2志望にしていたのも、その大学の付属小学校に通って
いた友人がいたから「同じ学校に行こうぜ」と約束したのが全ての始まりだった。
だから、小学校・中学受験・大学・就職時と因縁の糸があるとも言える。
それでもその因縁の力はテラヤ達の因縁の力よりも弱いことになる。
なぜなら彼らとは20数年付き合いが続いているからだ。同年代の人間で中学からの
付き合いが続いている友人が5人もいる者は他には殆ど居ないだろう。
そんなわけで波乱万丈な人生になってはいるが、自分自身は楽しんでいるので
今更親をその件で責める気にはなれない。ただ、完全に怒りが解消したかというと
まだ火種は微かに燻ぶっており、親に強圧的に何かを言われるとつい反発してしまう。
それでも昔と比べれば前進しているので、いつか親を許せる日も来るだろう。