星を見ぬ人

最近はやぶさとかペルセウス流星群などにわか天文ブームで訳知り顔で解説する人も多いが、彼らは大切なことを
捨てている気がする。おそらくそういう人は、普段の雲が無い時の満天の星空を見て畏敬の念を抱いたりはしないのだろう。
ありふれたところにある「美」に気づかないのに、どうして自然の偉大さを感じることができるのだろうか?
太陽が燦々と照っているときこそ太陽のエネルギーを吸収するチャンスだと思って感謝し、その中で風が吹いたら心地よいと思う。
いずれ環境破壊が進んでいけばそういった日常のありふれた光景に感謝することもできなくなるだろう。当たり前こそが盲点だ。
そういったことに対して何も感じない人が、他の人が「重要だ」といったことのみ耳を傾けて「おおすごい」と言う風潮には
疑問を感じざるを得ない。今という時代こそ、ありふれたものに焦点を当てるべきだと感じる。他の人がみんな「すごい」というから
自分も「すごい」というだけの人は条件づけられた感動を得たロボットに過ぎず、そのような人間を量産する社会が恐ろしくも感じる。