消費型コンテンツ

MMOのコンテンツはよく「消費される」という言い方がされるが、コンテンツには
消費型とそうでないもの(継続型・期間指定・その他)がある。例えば、FF14の蛮神戦は
消費型の代表で、ユニークな外見かつ最高性能の武器が手に入る。消費型コンテンツの
欠点は文字通り消費される(蛮神戦なら武器コンプ)とやらなくなることだ。もしくは報酬が
陳腐化することで見向きされなくなる。ゼーメルなどその典型。DDOだと陳腐化した装備は
定期的に性能上昇パッチが当たって逆に最高性能になるものもある。これは開発側の
やる気次第で改善できる部分がある。消費型においてはいかにコンテンツを化石化
させないかが焦点になる。ということで、消費型を最消費させるためには報酬の
バージョンアップが対策の1つになる。
 
では、消費型コンテンツ以外はどのようなものを作ればいいのか。FF11だと3国の領土の
奪い合いで軍報酬が変わるのが期間を区切った機関指定型コンテンツ。FF14だと
物品調達が相当するだろうか。コンテンツというにはしょぼいが。コンチェルトゲートでは
期間限定クエストが割と短いスパンで何度も実施され、そこでしかゲットできないペットなども居た。
ディプスファンタジアでは報酬のランダム装備品が何度も通いたいと思わせるコンテンツ
だったがこれは性能固定のMMOでは使えない。同ゲームには他にも敵が落とす鍵を集めて
箱を開けていく五重塔やランダムでジェムがもらえる闘技場など秀逸なアイデアが多かった。
同じヘドロクが担当したECOも報酬の指輪を集めてランダムでレアアイテムがゲットできる
仕組みやスタンプを集めて超性能背負い魔ブースとが低確率で入るというのもあった。
あとは転生。DDOだと転生ごとに転生クラスの特性を徐々に付加できたりしてキャラ強化が
図れるし、ディプスだと数十回、数百回でも強化上限には達しなかった。
 
これらを参考にしてみると、非消費型は
・期間限定でユーザーの意欲を掻き立てる(報酬がゴミだと×。レアゲット率を設定すると○)
・ランダム報酬で一部低確率のレアを混ぜる(定期的にドロップテーブルも変える)
・特定アイテムをこつこつ収集して交換で良い報酬がゲットできる
・転生で1から育てさせることで転生によるキャラ強化とレベル上げの過程を楽しんでもらう
 
というタイプがユーザー受けしやすいのではないだろうか。転生は始めからシステムに組み
込んだ設計じゃないと厳しいが、アイテム関連は外れがゴミ過ぎないようにして効果的なドロップ
テーブルを設定(+定期的な更新)すれば長続きする。FF14には何度もやりたいと思わせる
この手のコンテンツがないのが問題で、例えばゼーメルの報酬をランダムなマテリア2つなどに
して何回も繰り返せるようにすればそれだけで生きたコンテンツになる。ユーザーが何を
欲しがっているかを考えるべきで、今なら高騰しがちなマテリアがそれに当たる。パッチ1.21の
薬品改修次第では高性能ポーションエーテルでも良い。FF14の開発力では不可能だが、
特定の髪型に変更できる引換券とかもレアアイテムとしては需要が高そうだ。ギャザラーが
採掘などでしかゲットできない特殊アイテムを収集して報酬と交換できるシステムを作ったり、
宝の地図を拾えるようにするのでも十分にギャザ向けエンドコンテンツになり得る。
 
労力と報酬のバランスを取るのが重要で、1日に数十回も出来たら意味がない。1回1-2時間
かかって1日1回しか出来ないものならよほどつまらないものを実装しない限りは継続的に
使えるコンテンツになるだろう。つまるところコンテンツ設計もマーケティングなのだ。
そう考えると、各クエストの回数やEpic作成数などを調べて少ないものの底上げなどを
頑張っているTurbineはまさにマーケティングをやっている。死んでいるコンテンツがあれば
生き返らせればいい。ついでに過程で役に立つ課金アイテムも宣伝するしセールも実施する。
 
そういうアメリカ的経営なら黒字にもなるだろうけど、日本はその辺が弱い。コンテンツ売り切り
型ビジネスで一度出したら風化してもいじらない。実にもったいない。FF14で言うと飛空挺を
実装したのにテレポのほうが便利だから誰も使ってないしキャラバン護衛を実装しても実装
したきりでユーザーがどれ位使っているか調査もしていないだろうから誰もやらないまま放置
されて調整もない。プレイヤーサーチを実装したがソート機能も名前検索もないので使い勝手が
悪くて誰も利用していない。常に統計を取ればこんな事にはならないだろうに。。。
「こういう事を実装すればユーザーが喜ぶ」というのが常に机上の空論でしかなく、実際に
何のデータも取っていないから根拠がない。その結果、斜め上のパッチが横行する。
開発に必要なのは誰も考えないことを思いつく斬新な発想が出来る人間でも不可能を可能に
するスーパーな技術を持つプログラマーでもない。空気が読める人間だ。